にんじん・スイカ

 南魚沼市の飯塚農場では、この地ならではの雪を生かした雪室で貯蔵したにんじんやじゃがいも、米などを出荷している。雪室内は室温2℃前後、湿度は約90%に保たれる。「でんぷん質が多いものは甘さが増し、にんじんは青臭さがなくなり驚くほどおいしくなりますよ」と飯塚恭正さんは微笑む。ユキマツリでも雪室貯蔵のにんじんは、素材そのもののおいしさを楽しむ料理やスイーツに活用されている。
 飯塚さんは35年以上、土作りの勉強を重ねてきた。「人と環境にやさしい農業の第一歩は土づくりから始まります」。畑作特有の連作障害の対策にも尽力してきた。飯塚農場ではもみがらやキノコ工場のおがくず、とうもろこしの芯などを3年間熟成させた自然由来の堆肥を使い、南魚沼市と津南町の広大な畑地で、スイカやにんじん、じゃがいもなどを栽培する。特産の八色スイカは全国から注文が殺到し、シーズンで約8万個を出荷するほどの人気だ。飯塚さんは消費者の「おいしい」という声を聞くときが一番うれしいという。「末端のお客様が一番大事。そのためにも、プロとして、常に最高の味になるよう研究しています。ブランドは一朝一夕でできるものではありません。努力の積み重ねです。」きょうも飯塚さんの挑戦は続く。

にんじん・スイカ

左上)「雪室貯蔵のにんじんは生で食べてもおいしいですよ」と飯塚恭正さん
右上)収穫までに6回の接ぎ木作業を行う
左下)糖度のチェックは欠かさない
右下)収穫後、雪室貯蔵でおいしさが増す。にんじんジュースも人気

平成23年度農商工連携等による被災地等復興支援事業