地酒

 十日町にある2つの酒蔵の一つ、松乃井酒造場の創業は明治29年(1896)。創業以来赤松林から湧き出る横井戸の水で酒を醸し続ける。「地元で愛されている味わいを変えないよう心がけています」と杜氏の古澤裕さん。米は手でとぎ、和釜を使って蒸かす。酒の味の決め手となる麹を作る米は、自社で精米をする。吟醸酒以上の搾りは昔ながらの槽(ふな)搾り……。各工程においしさへのこだわりがある。原料となる酒米の中でも、最高峰といわれる山田錦への思いも強く、通常は大吟醸クラスに使うこの米を、吟醸クラスでも使用する。
 ここ4、5年で杜氏をはじめ蔵人の世代交代が進んだ。「若い蔵人たちはチャレンジ精神が旺盛で、刺激を受けますね」と古澤杜氏。「伝統の味わいを受け継ぎながら、なおかつ時代に合わせて、少しずつ進化させていきたいですね」。

地酒

左上)今季の初しぼりの原酒。普通酒とは思えない上品な香り
右上)「地元の食に合う酒を造っていきたいですね」と杜氏の古澤裕さん
左下)丁寧な酒造りから生まれる酒粕はフレッシュでうま味たっぷり
右下)右から「清酒松乃井」、「純米大吟醸英保」、「特別純米松乃井」

平成23年度農商工連携等による被災地等復興支援事業